「しげんカフェ」を中心に、地域の”あったらいいな”を集めた複合施設。パンとみんなとしげんカフェ「ソーネŌZONE(おおぞね)」

2018.6.6
ソーネおおぞね

名古屋市北区の大曽根住宅1階にオープンした「ソーネŌZONE(おおぞね)」。カフェ併設の資源買取りセンター「しげんカフェ」を中心に、ショップ・イベントホール、地域の相談コーナーの5つの機能を持っています。約300坪のスペースに地域の”あったらいいな”を集めたコミュニティスペースです。

運営するのは「わっぱの会」。障害のある人ない人、子ども、高齢者などみんなの共生共働の実現のために創立された民間非営利団体(NPO法人)です。今回は「わっぱの会」代表の斎藤さんにお話を伺ってきました。

 

 

「ソーネおおぞね」誕生のきっかけ

 

斎藤縣三さん
民間非営利団体(NPO法人)「わっぱの会」代表の斎藤縣三さん


「ソーネおおぞね」の計画は、大曽根住宅の空き家活用からはじまりました。


斎藤さん:「ソーネおおぞねの入っている「大曽根住宅」は、愛知県が建てた築約40年の集合住宅です。年々空き室が増え問題になっていました。そこで、空き室を活用した分散型サービス付き高齢者向け住宅をつくる計画がスタートしました。サービス付き高齢者向け住宅とは、福祉施設ではなく60歳以上の元気な高齢者が安心して暮らせる住宅のことです。

 

高齢者向け住宅の計画と合わせて、一階にあるこちらのスペースも活用したいということでお話をいただきました。もともとはスーパーが入っていたのですが、周囲に大型のスーパーができた影響もあり、6年ほど前に撤退してしまったんです。スペースを活用してもらえないかと地域の様々な団体に声がかかり、私たちもその一つでした。「障害者や高齢者がいきいき働きながら、地域の人と交流できる場所をつくりたい」という想いがあったので、スペースの活用を任せていただくことになりました。」

 

市民がよろこぶ場所にしないと意味がない

 

ソーネカフェ

 

ボルダリングできる壁
通路の一角はボルダリングができるようになっています。

 

続いて施設のこだわりについて教えていただきました。


斎藤さん:「まずは市民によろこんでもらえる場所にしないと意味がないなと考えました。費用を抑えてつくることも可能でしたが、そんな場所に市民は集まってくれません。費用や手間をかけてでもこだわった空間にすることで、みんなが来たくなるような場所になるはずだ。その想いで、設計業者さんや、デザイン会社さんと計画を一年以上かけて練り上げていきました。

 

デザインのポイントとしては、格子を取り入れたり、柱を木で覆ったりなど、木材をふんだんに使ったことです。木材は「豊根村」という愛知県で一番人口が少ない村の森林組合にお願いしました。テーブルにも名古屋市の街路樹の木をリサイクルして、できるだけ地元の材料を使用しました。」

 

カフェのテーブルカフェのテーブルには名古屋市の街路樹の木をリサイクルして使用。家具の製作は東区の「長坂木材」が担当。

 

木材の種類のボード
カフェの壁には、木材の種類を示すボードが。

 

ソーネおおぞねのマーク手作りのテーブルには、一つずつレーザーで「ソーネおおぞね」のマークが刻印されています。

 

「しげんカフェ」とは

 

しげんカフェ

 

ソーネおおぞねの大きな特徴は、「しげんカフェ」を中心とした施設ということです。「しげんカフェ」とは、カフェ併設の資源買取センターのこと。家庭の資源を現金やポイントで買い取り、ポイントはカフェのドリンクやフードに交換できます。


斎藤さん:「実はお手本にしている「しげんカフェ」が愛知県の津島にあり、オープンから5〜6年ほどたち、津島で定着しています。そこの代表の方の考えというのは、「税金を使って資源を回収することはお金の無駄使い。」というものです。

 

日本のリサイクルは、ゴミが増え焼却場や埋立場に困ったことを背景に1990年代からどんどんと進んでいきました。しかし、現状では行政での回収が大部分を占め、多額の税金を使って回収している状態なんです。それを市民が自分で持ち寄って事業化することで、税金の使用を減らし、市民事業にもなると。その考え方に共感し、名古屋でも「しげんカフェ」を広めていきたいと、オープンすることに決めました。」


では、ここからは施設を順番にご紹介していきます。

 

 

資源センターで貯めたポイントが利用できる。「ソーネカフェ」

 

ソーネカフェ

 

カフェのメニュー

 

ソーネカフェでは、愛知県産の食材を活かしたヘルシーなメニューが手頃な価格で楽しめます。モーニングは6時半から11時まで。ランチタイムには、「わっぱ飯」「カレーうどん」「日替わりランチ」などが650円〜とお手頃価格で楽しめます。キッズメニュー、単品フード&お酒のメニューも充実しています。


斎藤さん:「早朝6時半から営業しているので、朝は地域の高齢者の方の憩い場になっています。休日には、お子さん連れの方が多くみえますね。

 

今後は、愛知県産のジビエ料理を楽しめるようにしたいなと考えています。ジビエというとどうしても高価なものが多いですが、そうではなく大衆的な値段で気軽に楽しんでいただけるようにしたいですね。地域の方の声を取り入れながら、市民の方によろこんでいただけるカフェにしていくのが目標です。」

 

カフェの小上がりスペース
赤ちゃん連れにうれしい小上がりスペース。ブラインドで仕切り、半個室として利用することも可能です。

 

キッズスペース
カフェに併設された広々遊べるキッズスペース。

 

セラミックボールを使った足湯
なんと足湯を楽しめる席も。セラミックボールを使った、お湯を使わない足湯です。

 

【ソーネカフェ】
営業時間:6:30〜20:00 ※ラストオーダー 夕食(19:00)飲み物(19:30)
定休日 :火曜日
座席  :全58席(小上がり、足湯席含む)

▼メニューはこちら
https://sone-ozone.com/information/menu.html

 

 

家庭の資源を買い取る「ソーネしげん」

 

ソーネしげん

 

ソーネしげんでは、家庭から出たさまざまな資源を買取りしてくれます。古新聞・古雑誌・空き缶・空き瓶・ペットボトルといった一般的なものだけでなく、古着・自転車・布団・車のバッテリーなど買取り項目は多岐に渡ります。買取りは現金だけでなく、ポイント制で「ソーネカフェ」でドリンクやフードと交換することもできます。ソーネしげんのポイントカード登録数はオープンから2カ月で550〜600名ほど集まったそう。着実に利用者が増えています。

 

ソーネしげん

 

斎藤さん:「高価なものを買い取るセンターはいくらでもあります。ですが、普通ではゴミになってしまうものも、ちゃんとした流通ルートがあることで資源として役立たせることができるんです。例えば、自転車はまだ乗れるものは海外に送り、修理が必要なものは分解して工業資源として再利用します。

 

確かに資源の買取りは何円、何十円という世界です。ですが、お金や儲けが目的ではないんです。一人ひとりが資源を持ち寄ることにより、リサイクルの大切さを知り、税金を使わない市民主体のリサイクルを活性化できる。この場所を通して少しでも市民リサイクルの重要性を知ってもらえたらなと思います。」

 

【ソーネしげん】
営業時間:9:00〜18:00
定休日 :火曜日

▼買取りアイテムはこちら
https://sone-ozone.com/information/shigen.html

 

 

地産地消がコンセプト「ソーネショップ」

 

ソーネショップ

 

「ソーネショップ」では、地元愛知県で生産された食材やお酒など、地産地消をコンセプトにした商品を展開しています。食品や日用品などを扱うミニスーパーのような役割も担っています。その中でも「焼きたてパン」「みんなのわ」の2つをピックアップしてご紹介します。

 

店内で焼き上げた「焼きたてパン」

 

パンコーナー

 

焼きたてパン

 

ソーネショップの目玉商品は、店内で焼き上げるパンです。種類も豊富で、お値段もリーズナブル。


斎藤さん:「わっぱの会では1984年から、国産小麦・無添加の「わっぱん」を販売してきました。その技術を生かし、ソーネおおぞねでも、焼きたてパンをご提供しています。北区にあるわっぱん工場で生地をつくり、店内で発酵・焼き上げています。

 

今後は自社の農場でつくった小麦「ゆめあかり」を使ったパンを増やしていきたいなと思っています。実はこれは長年の夢だったんです。これまで愛知県ではパン用の小麦が採れなかったのですが、長年の研究の結果「ゆめあかり」というパン用の小麦が2016年に開発されました。愛知県で小麦の栽培ができるようになったため、自社の農場で無農薬栽培した小麦を使い、パンに焼き上げるという、栽培から販売まで一貫してできるようになりました。」

 

アンテナショップ「みんなのわ」

 

みんなのわ

 

みんなのわ

 

「みんなのわ」は、愛知県にある障害者事業所でつくった商品を販売しているコーナーです。

 

斎藤さん:「愛知県には障害者事業所が何百箇所とありますが、なかなか商品を販売する場所や流通ルートがないんです。もっと売り先を展開していかなければと、このアンテナショップをつくりました。約40の事業所の商品を販売しています。120以上の事業所から「うちの商品を置いて欲しい」とご依頼をいただいているので、順次交代して置いていく予定です。」

 

久遠チョコレートSNSで話題の豊橋市発「久遠チョコレート」。


「みんなのわ」をいろいろな場所で展開する取り組みもスタートしています。地域のスーパーや銀行の一角でブース販売をさせてもらっています。星ヶ丘テラスのスーパーには、常設で売り場をつくってもらっています。少しずつ「みんなのわ」の取り組みを広げていきたいですね。」

 

【ソーネショップ】
営業時間:8:00〜19:00
定休日 :火曜日

▼取扱商品はこちら
https://sone-ozone.com/information/shop.html

 

 

イベントスペース「ソーネホール」

 

ソーネホール

 

ソーネホール


「ソーネホール」は多用途に使える会員制のレンタルスペースです。


斎藤さん:「ホールは全部で60坪ほどの広さがあります。コンサート、教室、セミナーなどさまざまな方法でご利用いただいています。私たちも芝居の公演や、健康ヨガ、認知症予防の出張講座など、地域の人によろこんでいただける企画を随時考えています。地域の方が自主的に何かやってみたいと思っていただけたらうれしいですね。今後は、毎日企画が行われ、にぎわいのある場所にしていきたいです。」

 

【ソーネホール】
営業時間:9:00〜20:00
定休日 :火曜日
会員料金:無料(2018年8月まで)

 

 

地域の駆け込み寺「ソーネそうだん」

 

ソーネそうだん

 

「ソーネそうだん」では、生活・仕事・福祉など小さなお困り事から、誰に相談したらよいのかわからないお悩みまで、専門家に相談することが可能です。地域の高齢者・こども支援団体・医療健康支援団体などと協力して対応してくれます。施設の一番奥に位置しているのもうれしいポイントです。

 

もっともっと市民が集まってくれる場所に

 

斎藤縣三さん

 

最後に今後の展開について聞かせていただきました。


斎藤さん:「市民リサイクルの取り組みをもっと広げていきたいなと思っています。今は近隣の住民の方の利用が半分ほどですが、西区・東区・守山区など、他の区からの利用者も増やしていきたいですね。リサイクルショップのオープンも計画しています。買取りをしていく中で、まだ使えるもの、未使用のものも多く持ち込まれることがわかりました。子供の制服なども再利用できないかなと考えています。

 

またショップとしては、愛知県の名産品を増やしていきたいと思っています。「いいともあいち推進店」として愛知県の農林水産部から認定もいただきました。三河エリアのジビエ、知多エリアの海鮮など、地域の特色を生かした商品を集めていきたいです。」

 

ソーネオオゾネ


「ソーネおおぞね」は、小麦からこだわった焼きたてパン、地域の人が集うイベントスペース、愛知県の特産品が買えるショップなど、たくさんの魅力がありました。地域に開かれた憩いの場所として、地域に根付いていくこと間違いなしのコミュニティースペースです。

 

そして「しげんカフェ」では、誰でも簡単に市民リサイクルの取り組みをはじめられます。不要になったものをゴミにするのではなく、資源として役立ててみてはいかがでしょうか。駐車場も20台以上あるので、大曽根エリア以外の方もぜひ足を運んでみてくださいね。

 

【ソーネŌZONE(おおぞね)】
住所  :名古屋市北区山田2丁目11-62 大曽根住宅1棟1F MAP
電話番号:052-910-1001(代表)
定休日 :火曜日
駐車場 :第一駐車場(ソーネおおぞね前)20台
     第二駐車場(ブラザー平安パーキング)数台
営業時間:6:30~20:00 ※施設により異なります。
 ソーネカフェ :6:30~20:00
 ソーネショップ:8:00~19:00
 ソーネしげん :9:00~18:00
 ソーネホール :9:00~20:00
 ソーネそうだん:10:00~17:00

web :https://sone-ozone.com/
Instagram:https://www.instagram.com/soneozone/
facebook :https://www.facebook.com/soneozone/